ホーム › 漢詩一覧 › 秋詞

しゅうし秋詞

劉禹錫|中唐|七言絶句

山明水浄夜来霜
数樹深紅出浅黄
試上高楼清入骨
豈如春色嗾人狂
詩

※日本で一般に読まれている本文によります。

書き下し文

山明らかに水浄くして夜来の霜

数樹の深紅 浅黄より出づ

試みに高楼に上れば清 骨に入る

豈に春色の人を嗾そそのかして狂せしむるに如かんや

現代語訳

山はくっきり、水は澄み、ゆうべは霜が降りた。数本の木の深紅が淡い黄の中に浮かぶ。高楼に登ってみれば、すがすがしさが骨まで沁みる。人を浮かれさせる春の景色など比べものにならない。

原文と書き下し文の対照

山明水浄夜来霜 ― 山明らかに水浄くして夜来の霜
数樹深紅出浅黄 ― 数樹の深紅 浅黄より出づ
試上高楼清入骨 ― 試みに高楼に上れば清 骨に入る
豈如春色嗾人狂 ― 豈に春色の人を嗾して狂せしむるに如かんや

鑑賞

昔から秋は寂しいと言われるが、私は秋日が春朝より勝ると言う。晴れた空に一羽の鶴が雲を排して上がり、詩情を碧霄へ導く——劉禹錫らしい、秋の前向きさです。

日本で親しまれる理由

「晴空一鶴排雲上、便引詩情到碧霄」

語句

秋詞
秋を詠む詞/詩
春朝
春の朝
碧霄
青く澄んだ大空

作者

劉禹錫の生涯と作品一覧は作者ページへ。

作られた背景

劉禹錫「秋詞」。悲秋を逆転させる代表作(其一)。

あわせて読みたい