しんしふくのこうとうにゆくをおくる送沈子福之江東
楊柳渡頭行客稀
罟師盪槳向臨圻
唯有相思似春色
江南江北送君帰
罟師盪槳向臨圻
唯有相思似春色
江南江北送君帰
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
楊柳の渡頭 行客稀なり
罟師 槳を盪かして臨圻に向かふ
唯だ相思の春色に似たる有り
江南江北 君が帰るを送らん
現代語訳
柳の茂る渡し場に旅人の姿もまばら。船頭は櫂をこいで向こう岸へ向かう。ただ君を思う心だけは春の景色のように、川の南にも北にも満ちて、君を送り届けるだろう。
原文と書き下し文の対照
楊柳渡頭行客稀 ― 楊柳の渡頭 行客稀なり
罟師盪槳向臨圻 ― 罟師 槳を盪かして臨圻に向かふ
唯有相思似春色 ― 唯だ相思の春色に似たる有り
江南江北送君帰 ― 江南江北 君が帰るを送らん
鑑賞
柳の茂る渡し場に旅人の姿もまばら。日常の一コマが、そのまま詩になっています。
日本で親しまれる理由
「江南江北送君帰」。想う心は春のように、どこまでも広がる。
語句
- 罟師
- 「罟師」——詩の情景を支える語
- 臨圻
- 「臨圻」——詩の情景を支える語
作者
王維の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
王維(盛唐)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。