しんじょうどうちゅう新城道中
東風知我欲山行
吹断檐間積雨声
嶺上晴雲披絮帽
樹頭初日掛銅鉦
※日本で一般に読まれている本文によります。長編のため、有名な部分を抜粋して掲載しています。
書き下し文
東風 我が山行せんと欲するを知り
吹断す 檐間積雨の声
嶺上の晴雲 絮帽を披せ
樹頭の初日 銅鉦を掛く
現代語訳
春風はわたしが山歩きに出かけたいのを知っていて、軒先の長雨の音を吹き払ってくれた。峰の上の晴れた雲は綿の帽子のよう、梢の朝日は銅鑼を掛けたようだ。
原文と書き下し文の対照
東風知我欲山行 ― 東風 我が山行せんと欲するを知り
吹断檐間積雨声 ― 吹断す 檐間積雨の声
嶺上晴雲披絮帽 ― 嶺上の晴雲 絮帽を披せ
樹頭初日掛銅鉦 ― 樹頭の初日 銅鉦を掛く
鑑賞
春風はわたしが山歩きに出かけたいのを知っていて、軒先の長雨の音を吹き払ってくれた。景色の奥に、静かな心情が沈んでいます。
日本で親しまれる理由
「樹頭初日掛銅鉦」。出かけたい日、春風が雨をやませてくれる。
語句
- 檐間
- 「檐間」——詩の情景を支える語
- 絮帽
- 「絮帽」——詩の情景を支える語
- 銅鉦
- 「銅鉦」——詩の情景を支える語
作者
蘇軾の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
蘇軾(北宋)の作より抄録。生日詩簽でも親しまれる一節。