ぜっくまんこう絶句漫興
糝径楊花鋪白氈
点渓荷葉畳青銭
筍根稚子無人見
沙上鳧雛傍母眠
点渓荷葉畳青銭
筍根稚子無人見
沙上鳧雛傍母眠
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
径に糝ずる楊花は白氈を鋪き
渓に点ずる荷葉は青銭を畳む
筍根の稚子 人の見る無く
沙上の鳧雛 母に傍うて眠る
現代語訳
小道に散る柳絮は白い毛氈を敷いたよう、谷川に浮かぶ蓮の若葉は青銭を重ねたよう。筍の根もとの小さな芽には誰も気づかず、砂の上では小鴨が母鳥に寄りそって眠っている。
原文と書き下し文の対照
糝径楊花鋪白氈 ― 径に糝ずる楊花は白氈を鋪き
点渓荷葉畳青銭 ― 渓に点ずる荷葉は青銭を畳む
筍根稚子無人見 ― 筍根の稚子 人の見る無く
沙上鳧雛傍母眠 ― 沙上の鳧雛 母に傍うて眠る
鑑賞
小道に散る柳絮は白い毛氈を敷いたよう、谷川に浮かぶ蓮の若葉は青銭を重ねたよう。その気配が、短く残ります。
日本で親しまれる理由
「沙上鳧雛傍母眠」。誰も見ていないところで、小さな命が育つ。
語句
- 白氈
- 「白氈」——詩の情景を支える語
- 鳧雛
- 「鳧雛」——詩の情景を支える語
作者
杜甫の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
杜甫(盛唐)の作。情景と心情が短く結ばれた一首。